絵の解説
太陽の光と潮風をいっぱいに浴びた美味しいみかんの収穫シーズン。
これは玉の大きさからして、甘夏でしょうか。
木に実をつけたままだと皮がどんどん厚くなってしまうので、
家族総出、ご近所総出でみかん狩です。
収穫したみかんを食べて一休み。
爽やかな酸味と甘さが口いっぱいに広がります。
山の緑にオレンジが映えて、一足早く春の訪れを告げます。
柑橘と海
みかんといえば正月に食べる蜜柑くらいしか知らなかったのですが、
数年前から知人が住む伊豆に遊びに行くようになり、
柑橘ワールドの奥深さを知りました。
正月の小ぶりな蜜柑は柑橘シーズンの始まりで、
そのお馴染みの蜜柑にもいろいろな種類がありますが、それはさておき、
1月から4月にかけて多種多様の柑橘類が市場に出回ります。
ポンカン、伊予柑、はるみ、はるひ、不知火、れいこう、ゴールデン、ニューサマー、、、
と、これらはごく一部に過ぎません。
柑橘シーズンの伊豆に遊びに行くと、
遠目にも柑橘のオレンジ色が映えて、海の青と相まってその美しいこと。
オレンジ色も、オレンジからレモンイエローまで幅が広く、
まるで絵の具の色見本を見ているようです。
知人の家は山の中にあって、そこに行くまでに甘夏などの柑橘の木が自生しており、
道端に甘夏が転がっています。
たまに齧りかけのようなものもあって、それはリスが種を食べた残骸のようです。
種だけ食べて実はポイ捨てと、なんとも贅沢な食べ方です。
ちなみに伊豆のリスはニューサマーの種が好物のようです。
海の青と、空の青と、山の緑と、そしてオレンジと。
柑橘がたわわになっている山の様子がとても好きで、それを元に描きました。
4月末頃には木についている柑橘はほとんど落ち、5月には白い花をつけます。
その花はとても小さくて、可憐で、
やがて花が散った後には小さな小さな緑色のミカンがポツンとついています。
潮風と海に反射する太陽の光を浴びて、
緑の小さな粒はやがて大きなオレンジ色の玉になる。
数多くの柑橘が収穫できる自然の豊かさに感謝しつつ、
この環境をずっと守って行かねばと思います。
そんな気持ちを込めて描いた一枚。
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