絵の解説
海水浴客でごったがえす海水浴場。まさに芋洗い海水浴場。
今どきはパラソルよりもテントの方が多いので、やや時代を感じると共に、作者があまり海水浴慣れしていないのが分かってしまう一枚。
KNPC30の海水浴のポストカードは人気なのですが、細かすぎて何をしているのか分からない、というご意見を頂戴し、なるほどと思い、カメラを望遠ではなく近いところに据えました。
リクライニングチェアに座って何やらペタペタ塗っている猫は、紫外線から毛を保護するためのオイルです。
シマウマ水着
KNPC30の絵を見た知人から、なぜ皆帽子をかぶっているのか、なぜ明治時代のような水着を着ているのかと聞かれました。
これは、海水の塩分で毛がベタついてしまいグルーミングが大変なのを最小限に抑えるためで、サーファーのような長袖長ズボンでは流石に味気ないので、妥協案として半袖半ズボンに帽子となったのです。
と答えたところ、ちゃんと回答が用意されている! と笑いつつも納得していただけたようです。
これは後付けの理由で、もともとは明治〜大正時代の水着が可愛いから採用しました。
絵を描くにあたって、猫の衣装であれ動きであれ、必然性を自分なりに定義できないと描きづらいのですが、これは上記のような理由がすぐ浮かび、テンポ良く描けました。
この明治〜大正時代の水着スタイルですが、ボーダー柄が多いので、その柄から縞馬(シマウマ)と呼ばれていました。
それ以前は、ネグリジェのような長いスカートです。
このシマウマの素材はニットなのですが、ニット(この頃はメリヤスと呼ばれていました)自体は江戸時代にすでに輸入されており、足袋などで使われていましたが、手編みの高級品です。
シマウマ水着は明治時代にニット紡績が産業化された時代の賜物です。
動物の縞馬は、徳川綱吉の時代に天皇への献上品として来日しているので、それなりに知られていたのでしょう。
なお、レスリングのウェアの名称はシングレットです。
話を戻しまして、最初に書いたような猫事情により、皆そろってシマウマ水着に帽子を着用しています。
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