SNPC28 茅の輪くぐり(ちのわくぐり)

四季ねこねこ

絵の解説

神主に続いて茅の輪をくぐる参拝客。
茅の輪の真下、昇降用に渡された板の上で一番乗りだと万歳する子猫。
おーい、早く進めよー。
後ろの子猫が急かします。
母親に抱き抱えられた子猫は、うちわで後ろの子猫とはたき合い。

梅雨の季節、分厚い雨雲の下、
茅の緑と、色とりどりの紫陽花の柔らかな饗宴。

原画

突如現れる巨大な緑の輪

6月30日に各地の神社で執り行われる夏越の祓(なごしのはらえ)で行われる儀式のひとつ。
夏越の祓は半年分の穢れを清めて厄を祓う儀式。
地域や神社によって異なる場合もありますが、一般的には八の字に三度くぐり抜けます。
六月の終わりを告げる風物詩ですが、茅で編んだ大きな輪がぶら下がっている光景は非常にシュールです。
突如現れる緑の輪。

茅の輪のあつらえもさまざまで、太いもの細いもの、フサフサしたもの、枯れた藁のようなものと、茅で作った輪であればそこは自由のようです。
また、固定の仕方も色々で、鳥居に固定する神社もあれば、竹や木材を組んだ枠に固定するもの、雨に濡れないよう特設テントの中に設置されたものもあります。

さらに車用の大型タイプ、ペット用の小型タイプ、ハート型の茅の輪にして厄払いと共に恋愛成就を謳う神社もあります。
この辺のセンス、アレンジというかこじつけというか便乗というか、どんどん横滑りしていく日本人のセンスは面白いなと思います。
もともと腰にぶら下げる携帯用の厄除けだった茅の輪を、江戸時代頃に大きくして人がくぐって厄除けをするという行事に変化していったようです。
横滑りは日本人のDNAに組み込まれたセンスなのかもしれません。

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