描かれている人物
後見と三番叟
絵の解説
大きな箱から三番叟の人形を取り出す後見。
(左から)三番叟、後見、後見の後見
三番叟の烏帽子の糸を引き上げる後見。
踊り出す三番叟。
上部の青色と黄色の雲は、舞台の背後の壁に描かれているもの。
パーツとして余白に描いてあります。
背景の壁に描かれた鶴と雲
あらすじ
主な登場人物と簡単な説明
・三番叟(さんばそう)
糸操りの人形の三番叟。
・後見(こうけん)
人形操りの後見
他、翁、千歳(せんざい)などが登場します。
あらすじ
松羽目の舞台に翁と千歳が厳かに登場。
それぞれ舞を披露して立ち去る。
後見が登場。
舞台の背景は松から鶴に変わる。
後見が箱から糸操りの三番叟の人形を取り出し、操りの糸をさばくと、三番叟が軽やかに踊り始める。
途中、糸が切れ、三番叟は舞台に倒れ伏す。
後見が糸を結び、再び三番叟が軽妙に舞い、五穀豊穣を祈って幕
私のツボ
とうとうたらりトランス・サイケ
冒頭、翁が出てくる時の謡(うたい)。
フルバージョンは「とうとうたらりたらりら たらりあがり ららりどう」。
何を意味するのかは不明なようで、チベットの古い言葉、古いサンスクリット語などなど諸説あります。
響きが良いので今日まで採用されているのだと思います。
古典芸能だから、必ず由来や意味があるはずだと思いがちですが、案外「よく分からない」で済ませてしまうことが多く、その適度な緩さが歌舞伎の魅力の一つだろうなと思います。
話を戻して、翁、千歳、三番叟は三点セットなので、いわばここまで(翁と千歳の舞)は前菜です。
三番叟は人形なので、よいしょと箱から出され、後見の操る糸に合わせて踊ります。
三番叟と後見の息が合うと、本当に糸が見えるようです。
飛んだり跳ねたり踏んだり、どんどんスピードが上がり、プツリと糸がきれ、また結び直して踊る。
所作板が敷かれているので足拍子がよく響き、そこに鈴の音も入ってもはやトランス状態です。
そしてピタリと静止。
三番叟の派手な衣装とメイクと相まって、トランス・サイケデリックな舞踊です。
修正箇所
当初、背景は青地に鶴と雲でレイアウトしていましたが、白地に鶴と松にしてほしいということで変更しました。
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