SNPC47 春夏秋冬シリーズのうち春

四季ねこねこ

絵の解説

春夏秋冬と四枚続きの絵のうちの春。
屏風絵のイメージです。

原画

場所は桜が満開の川べり。一番上は、その川辺に向かう人々。蕎麦屋の出前もいます。遠目には屋形船。

二段目は桜を見ながら歩く人たち。花魁、通人、大工、丁稚、いろいろな猫たちで賑わっています。花見茶屋では花見団子。子猫は春の陽気でうとうと、父猫にもたれかかります。

手前は花見の御一行。重箱に御馳走を詰めて、持ち寄ります。

すやり霞(通称ワープ雲)

絵本「どこじゃ?かぶきねこさがし」でも大活躍のすやり霞ことワープ雲。

大和絵や絵巻物に登場する霞です。
余白を持たせたり、絵巻物では場面の転換に使われます。
一枚の絵の中でも、霞で区切られることによって、時間も空間も別のものであることを示します。
近世の浮世絵でも描かれますが、辻褄の合わない遠近を誤魔化す時にも便利に使われていると個人的には思っています。あくまで画家目線での私見。
場面が転換するという意味でワープ雲と呼んでいます。

桜の描き方

ついに納得がいく桜の描き方を編み出しました。
単体の桜は、蕊(しべ)と花弁に動きを持たせます。
つい五枚の花びらが綺麗に開いた桜を描きがちですが、紋章のようで動きがなくなります。
桜の軽さは花弁の軽い動きで表すことができます。
まだ動きが乏しく固いですが、問題点がわかってスッキリしました。

遠目で見る満開の桜は、濃いめに塗ったマゼンダの上に、薄めのホワイトで桜の形を描き重ねていきます。ホワイトの重ね方で桜の木の立体感を出します。
今のところ、これが一番納得のいく桜に仕上がります。

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