描かれている人物
お福、杵造(きねぞう)
絵の解説
餅をつく二人
おかめとひょっとこのお面をつけて踊る二人
背景
天神橋のカーブで一部隠れていますが、幟には天満宮と書いてあります。
丸枠
円を描くのは本当に難しいです。
北斎の「略画早指南」という本に、<直線は差(さし)、円は分廻し(ぶんまわし)で描くべし>とありました。差は定規です。
これは一大事と色々調べて探しましたが、どこにも分廻しなるものは売られていません。
コンパスを改造してあれこれ試作しましたが、結局、フリーハンドでゆっくり描くのが一番確実という結論に至りました。
分廻しは竹製コンパスで、今でも家紋職人の方などは必携の道具のようです。
いまだに現物を使ったことはありませんが、多少曲がろうとそれも味よと開き直るに至った現在、分廻しは既に過去の想い人です。
今どきはアプリで直線もカーブも綺麗に描けますが、デジタルだと線が均一すぎて手描き部分との調整が却って手間になります。
アナログにこだわっているわけではありませんが、イメージ通りの線や色を出すにはアナログが早いです。私は。
あらすじ
餅屋台を担いでやって来た団子売の夫婦の杵造とお福(お臼の場合もあります)。
二人は杵と臼を取り出すと、仲良く餅をつき始めます。
餅つきを終えた二人は、童唄に乗ってゆったりと踊り、やがておかめとひょっとこのお面をつけて賑やかに踊り始めます。
夫婦円満めでたい様子を見せると、二人は団子を売りに次の場所へと向かうのでした。
私のツボ
天満の天神さん
舞踊なのに舞台が大阪なのは珍しいなと思っていたのですが、元々は人形浄瑠璃の景事と知って納得。
本名題は「音冴春臼月(ねもさゆるはるのうすづき)」と言います。
子孫繁栄を唄った艶っぽい歌詞で、賑やかで明るい義太夫です。
仲良しは良いです。
五穀豊穣、安寧秩序を願ってやみません。
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