描かれている人物
安達藤三郎実は佐々木四郎左衛門高綱
絵の解説
井戸から出てくる安達藤三郎実は佐々木四郎左衛門高綱。
六文銭の柄が入った赤い襦袢に白と紫の仁王襷です。
前半の藤三郎と同じ衣装のままで、黄色の着付を諸肌脱ぎにし仁王襷をつけた状態です。
幕切。
”ぶっかえり”に比べれば視覚的な変化に乏しく、高綱という人物の怪しさも控えめですが、これはこれでスッキリ凛々しく私は好きです。
ほぼ前半の衣装のままなのが、かえって臨場感があります。
お蔵入りの理由
芝翫型は八代目坂東三津五郎が復活させたので、基本的には大和屋さんが高綱をつとめる場合以外では採用されません。
でも、万が一ということもありますし、監修の返事が少々時間を要する場合も多々あったので、”芝翫型”と”ぶっかえり”の2種類用意して提出しました。
結果的には”ぶっかえり”が採用されました。
かぶきねこづくし(R)は演目発表後、自分で資料を集めて描いてから監修に提出します。
今は演目発表も早いですが、この頃はまだ一ヶ月前にようやく発表だった気がします。
短い時間の中で資料が揃わず、描くのを断念した演目がいくつもあります。
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