KNPC57 素襖落(すおうおとし)

かぶきねこづくし

描かれている人物

太刀持鈍太郎、太郎冠者、大名某

絵の解説

鈍太郎、太郎冠者、大名(原画)

この大名某がこせこせしない鷹揚な人柄で、
太郎をおちょくる大名に、慌てる太郎冠者、真顔の鈍太郎。
那須与一を舞う場面は姫御寮もいて絵になるのですが、この三つ巴が描きたかったのです。

あらすじ

登場人物
太刀持鈍太郎(たちもちどんたろう):大名の家来。
太郎冠者(たろうかじゃ):大名の家来。
大名某(だいみょうなにがし)

あらすじ

主人の遣いで、大名の伯父宅を訪れた太郎冠者は、美しい姫御寮に酒を振舞われます。
宴で舞を披露して楽しく過ごしたうえ、土産に素襖まで頂戴して帰宅。
主人に素襖を取られないように隠そうとしますが、うっかり落としてしまいます。
やがて三人で素襖を取りあい、大名が素襖を持って逃げるのを太郎冠者が追いかけて幕。

私のツボ

素襖を落とした後

最後、したたかに酔った太郎冠者が素襖を落としてしまいます。
落とした素襖を大名が隠してからかいます。
その後、三人で素襖を取ったり取られたりしますが、ここがほんわか楽しい気持ちになります。

松羽目ものは舞台のセットもなく、小道具も少なく、とてもシンプルです。
派手さはありませんが、干瓢巻のような、じわじわっとくる味わいがあります。

だいたい誰かしら酒に酔っていますが、酔っても下品にならず、上品な笑いに包まれています。

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