SNPC66 月見

四季ねこねこ

絵の解説

ススキの揺れる音と、虫の鳴き声を聴きながら
お団子をつまみに秋の夜長の月見酒
仕事帰りのお楽しみ

秋の夜長

月見といえば中秋の名月ですが、近年、
9月半ばになってもまだ夜は暑い日が多いです。

何より夜の屋外はヤブ蚊がしつこくて、
近年の猛暑で大型化しているような気もします。
暑すぎると蚊も活動が鈍るようで、8月より9月の方が蚊が多いように思います。

秋の月を楽しむには9月より10月が良いのかもしれません。
少なくとも蚊はいないので、静かに楽しめることでしょう。

ススキが描きたかったので屋外での月見の絵にしました。

ススキは水彩絵の具のビリジアンとマースブラックを混ぜたもの。
ススキの小穂(しょうさい)の軽さを出したいけれど、
白系の絵具を上に重ねると厚ぼったくなってしまう。

月に照らされたススキの影を描くことにしました。

これ以降、この混色が気に入っていて、今も何かと多用しています。
ビリジアンは発色が良くて美しい透明色なのですが、
主張が強いので他の色と喧嘩しやすい。
黒を混ぜるとこれが絶妙に渋くなって、落ち着いた色になります。
紫も同様で、ディオキサジンパープルも黒と混ぜると絶妙に渋い色になります。
どちらも単色だと鮮やかで美しいのですが、主張が強すぎてしまう。

単体で鮮やかな色だからこそ、黒を混ぜても美しいのだろうと思います。
鮮やかな透明色だからこそ混色も生きる。
この混色の色味の妙は、水彩絵具の最大の魅力の一つ。

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