COPC25,26 江戸時代の日本橋

ご当地シリーズ

絵の解説

たくさんの人が行き交う日本橋。

朝が早い魚市場の取引も終わり、市井の人々も活動を始める朝の10時頃。
魚を運ぶ棒手振
大きな荷物を運ぶ荷担ぎ
道を尋ねる行商人
おつかい帰りの奉公人
吉原帰りの遊び人

蕎麦屋が飛脚とぶつかって一悶着。
朝から日本橋は大賑わい。

原画(760 x 500mm)

左端

中央

パノラマ構図

江戸時代の橋はアーチ状の橋が多く、擬宝珠 (ぎぼし)と相まって、
とても江戸らしい情緒があります。

奥行きを出しやすく、構図にメリハリもつくので
橋はよく描くのですが、アーチ状の欄干の線を引くのは毎回緊張します。
雲型定規が使いこなせず、
結局いまだにフリーハンドで描いています。
おかげで線が曲がった場合の誤魔化し方も精度が上がりました。

正面に視点を据えた構図だと欄干のカーブを描かなくて良いのですが、
これは広重の浮世絵「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」があまりにも有名すぎて、
何をどう頑張っても”広重の二番煎じ”になってしまいます。

そこで構図を横に伸ばして欄干の周りの様子も描きこみました。

広重の日本橋の絵の両端に描かれている木戸から一歩踏み込んだ構図の絵。

横長のパノラマ構図が楽しくて、これ以降、しばらくパノラマブームが続きました。
一つの同じ空間あるいは場所にいるのに、左端と右端にいる猫たちはお互い全く感知していません。

それぞれがそれぞれの事情で動いていて、
あずかり知らぬところで出会いがあったり騒動があったり、
一つの鍋の中で弾ける豆のような、
それぞれが自由に動いている雑踏の一瞬を切り取って描くのが楽しい。

そのままポストカードにすると絵が小さくなりすぎるので、
原画を二分割または三分割しています。
一枚で複数枚のポストカードができるのもこれまたお得感があります。

昭和の頃、使い捨てのパノラマカメラがあったなぁ、などと思いを馳せつつ。

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