SNPC73 朝顔市

四季ねこねこ

絵の解説

青にしようか
ピンクにしようか、
青とピンクを混ぜた紫にしようか、
色とりどりの朝顔に目移りしてしまいます。

7月上旬頃、神社の境内や商店街など、
全国で開催される朝顔市。

まだ梅雨の只中のところが多いですが、
「もう夏はそこまで来てますよ」と、
いち早く季節の到来を予告する大輪の朝顔。

原画

原画

ノアサガオ

朝顔といえば
青かピンクか紫の朝顔がすぐ思い出されますが、
西洋アサガオと日本アサガオの交配が進んで約1,600種類もの品種があるようです。
と、朝顔市のおじさん談。
2020年頃の話。

大きいものから小ぶりなのまで、パステルトーン、白い筋模様が入るもの、
変化咲きの朝顔など、本当にさまざまです。

朝早くに咲いて、昼過ぎにはしぼむ。
花弁は薄く柔らかく、蔦は細く、華奢で可憐な朝顔。

そんな朝顔のイメージを覆す、屈強な朝顔。
それはノアサガオ。
またの名を宿根朝顔あるいは琉球朝顔。

眩しいほどに鮮やかな青紫色で、花も葉もやや肉厚で、
とにかくもしゃもしゃと生い茂る強そうな朝顔。
たまに壁面どころか建物を覆い尽くすほどに生い茂っているものもあります。
よく見かけるようになったのはここ10年くらいでしょうか。

青紫色の花が遠目にもはっきり認識できるほどの鮮やかさ。
美しいというより妖しく、やや禍々しくもあります。
夏が終わって秋になってもしっかり咲いており、
その生命力に恐怖を覚えて調べたところノアサガオと判明しました。
熱帯原産の多年草と知って大いに納得。
あの色調は熱帯のもの。

元はグリーンカーテンだったのか、
旺盛な生命力と繁殖力に手を焼いてしまったのか、
げに恐ろしきかなノアサガオ。
咲き誇る青紫の花を見るにつけ『The Little Shop of Horrors』を思い出すのでした。

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