絵の解説
筍は夜のうちに親竹から水分や養分をたっぷり吸って、
夜明けのタイミングでぐいっと成長します。
そこを狙って筍を掘ると、
みずみずしくエグ味の少ない筍が収穫できます。
筍は光に敏感なので、日にあたると硬くなってアクも増えてしまいます。
なので、筍ほりは早朝から午前中が勝負。
と、筍好きの知人が教えてくれました。
もともとあまり光が差し込みにくい竹林のひんやりとした朝。
風が吹くとサラサラと竹の葉がゆれ、ギーッと竹がしなる音がします。
掘り起こされた筍は水をたっぷり含んでいて、
皮についた土は冷たく湿っています。
土の香り、葉っぱの香り、春の匂い。
季節の料理イベント
季節を感じる料理イベントが一年に何回かあります。
料理が好きな人や、地域によってはほぼ毎月あることでしょう。
めんどくさいから今年は良いや、と思ってもつい作ってしまう。
私が毎年必ず手を出してしまうのが、梅シロップと筍。
筍は下ごしらえが面倒なので、もう来年はやらないぞ、
と思いながら一年経つと忘れてしまって、
つい土付きの筍を買ってしまうのでした。
春になると毎年2回は筍を茹でている気がします。
土付き筍が市場に出回る期間が短いので、
つい欲張ってしまうのでした。
筍掘りのシーズンが終わると、
掘られなかった筍は青竹として成長するのですが、
早朝になると筍が竹になっていて、その青々とした肌が美しい。
さすがに竹が伸びる瞬間は見たことはありませんが、
薄茶色の竹皮が青竹にかろうじてぶら下がっていて、
それは竹が伸びた証拠。
その青竹はごくごく短い産毛が生えていて、ベルベットのような光沢があります。
息が詰まってしまいそうな、青竹色のベルベット。
なんともいえない色合いで、
ローシェンナとターコイズとビリジャンをほんの少し。
春から初夏にかけての青竹は本当に美しい。
竹林の絵は前から描きたかったのですが、
竹林だけだと絵に動きがないので筍掘りにしました。
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