COPC30 縄文時代の大森の春

ご当地シリーズ

絵の解説

春から夏にかけて、貝類や木の芽の採取に釣漁と、
大森の集落は活動的な季節を迎えます。

漁の道具や船の手入れは入念に。
活動的になれば腹も空くというもので、
ドングリを潰して団子にしたり、
貝を茹でたり、みんな大忙しです。

寒さ厳しい冬が終わって、待ちかねた春。

向こうに見える大森海岸の浜がキラキラと春の陽光に輝き、
花々は野山を彩ります。

昼寝するのも惜しい春の午後。

原画

ヤマザクラ

ご当地シリーズに先駆けて、大森貝塚のポストカードを描いたのですが、
その大森貝塚にあったであろう集落に春が訪れたという趣向の絵。

当時はまだソメイヨシノはありませんが、
福井県鳥浜貝塚では縄文時代草創期(1万年以上前)の地層から
ヤマザクラの自然木が見つかっています。
また、前期(約6,000〜7,000年前)の地層からは
サクラ材を使った容器や舟のオールなどが見つかっています。
縄文人が桜の花を愛でていたかどうかは分かりませんが、
日本列島には大昔からサクラの木があったことが確認されています。

大森にもサクラの木があったかは不明ですが、
無かったと断言もできず、「大森貝塚の春(イメージ図)」
ということで描いたもの。

タンポポやスミレ、アザミなどの種なども列島各地の地層から出てきていて、
それらが咲いていたことも分かっています。
なかにはもう絶滅した植物もあったことでしょう。

どの時代であれ、
冬が終わったら春が来るという季節の巡りは変わりはありません。
彩る草木や花々は違っても。

左隅にタンポポの花束を三毛猫にプレゼントしている猫がいて、
その後方でニヤニヤと見守る二匹の猫がいます。
春は恋の季節。
彼らが今後どうなるのか、お楽しみに。

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