COPC65 正月(大阪)

ご当地シリーズ

絵の解説

大阪の正月アラカルト。

四天王寺どやどや
若者たちがふんどし姿で札(ふだ)を奪い合う四天王寺(大阪市天王寺区)の奇祭「どやどや」

今宮戎神社 宝恵駕(ほえかご)行列
西日本でお馴染みの十日戎。
「ほ~えかご・ほ~えかご」の掛け声とともになんば道頓堀商店街から今宮戎神社まで練り歩く行列

てっちり
寒い時期に美味しいふぐ料理
〽意地と恋とを庖丁にかけて〜

炬燵でぬくぬく楽しい寝正月。
テレビはやっぱり新春初笑い。

原画

原画

海の幸と山の幸

正月は地方色が出るので格好のテーマです。
大阪の正月といえば初戎。
これは四季ねこねこでも描きました。
他に正月の行事といえば四天王寺どやどや。
修正会(しゅしょうえ)という仏事の最終日(1月14日)に、とんど焼きと一緒に開催される法要です。

1月から旧正月の2月まで、なぜか日本全国で開催される裸祭り。
寒い中でふんどし一丁になること、苦行めいた行為に意味なり価値があるのでしょう。
コロナ禍中は中止されていた祭りが多いですが、コロナが落ち着いた現在、なし崩し的に中止になるかと思いきや、伝統だからと裸祭りが再開され歓迎されるのはやや不思議な気持ちになります。
なんでも無駄と排除されがちな21世紀においてなお。
どんなに技術が発展しようと、伝統が伝統たる時間の蓄積を作ることは不可能なので、「絶やしてはいけない」という地元への愛や誇りが勝るのでしょう。
その愛や誇りが人々に受け継がれてこその伝統です。
意外と褌を締めてみたいという隠れた欲求もあるのかもしれません。

それはさておき、同じ祭祀なので共通項があって当然にせよ、福岡の玉取祭とよく似ています。
陸・浜(百姓・漁師)と二組に分かれて札なり玉なりを奪い合って豊作かどうかを占います。
これは漁業と農業が盛んだった土地柄ならではで、海の幸か山の幸か。
玉を取った方、札を多く取った方が勝ち、すなわち今年は豊作。
同じ土地で勝ちも負けも無いのですが、おそらく山の神様・海の神様を楽しませるという意味での神事なのでしょう。
寒空の下、熱気でもうもうと湯気を立てる褌姿の男たちを見たら、山の神様・海の神様もひと肌脱いでやろうという気持ちになるというものです。

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