絵の解説
福岡市の中心にある広い公園。
ボートやスワンボートで濠を周遊する猫
水辺のベンチで一服する猫
観月橋を渡って濠を縦断する猫
紅葉の美しい日本庭園で記念撮影する猫
それぞれが自由に、
のんびり時間が過ぎる秋の一日。
六角形のお堂は、浮見堂という名前で、以前は東公園内の動物園にあったもの。
オットセイやアザラシを見物するためのお堂だったそうです。
スワンの細い首
日本の公園のボート乗り場に必ずあるスワンボート。
手漕ぎボートは操作が難しいので、足漕ぎボートは重宝します。
スワンボートが池をスイスイ進む様子はのどかで、
そんな平和な日常の光景が描きたくて大濠公園を描きました。
なぜスワンボートが平和な景色に見えるのか、それはやはりスワンの形に尽きましょう。
スワンタイプではない足漕ぎボートもあって、こちらの方がスワンの首がない分、風の抵抗が少なくてペダルが軽いような気がします。
スワンボートは何回か乗ったことはありますが、普通の足漕ぎは乗ったことがないので実際のところはわかりません。
公園での楽しいひとときには、そんな機能性よりも楽しさをより増す遊び心が重要です。
スワンに乗って水面を周遊するようなおとぎ話のようでもあり、
可愛らしいスワンボートの形状がまるで遊園地にいるような、
非日常性を味わわせてくれます。
乗るのも見るのも楽しく、心を和ませてくれます。
私が愛用している鉛筆削りがスワンの形をしていて、
長らく作業机に鎮座しています。
といっても実際には削りが甘く、詰まりやすく、持ち運びしにくい形状なのでほとんど使いません。
まったくもって機能的とは言い難いこの赤いスワン、
軽くて小さくて、よく机の隅でひっくり返っていたり、下に落ちていたりしています。
それでもこの鉛筆削りと長い付き合いなのは、スワンが可愛いから。
スワンボートとスワンの鉛筆削り。
細くて長いスワンの首は、ボートであれ鉛筆削りであれ、
機能上は無駄で不必要かもしれませんが、その無駄こそが気持ちを和ませ、楽しくしてくれます。
無駄こそ遊び心、スワンの細い首は遊び心すなわちユーモアの象徴といえましょう。
いつまでも公園の池をスワンボートが優雅に周遊する景色が見られますように。
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