絵の解説
大阪城本丸庭園にて、秋の一日
紅葉と池に映る大阪城をバックに記念撮影する二人
撮影を手伝うスタッフたち
通りすがりのご夫婦二人、手には肉まんが入った紙袋
「これ何してはんの」
「結婚式の撮影です」
「は〜なんやテレビの撮影かとおもたわ」
西の丸庭園のお茶会帰りに散策中のご婦人二人
「あの打掛高そうやな」
「レンタルやろ」
「せやかて高いやろ」
「せやな、綿もたっぷり入ってるし重いやろな」
「あかんわ、もう我慢できへん」(おもむろに肉まんにかぶりつく)
そしてふわり漂う肉まんの香り
天高く馬肥ゆる秋
せっかくやから
大阪の友人が結婚した時、前撮り写真を見せてもらいました。
挙式と披露宴はウエディングドレスでしたが、せっかくやからと和装で前撮りをしたとのこと。
スタジオは白無垢と綿帽子と角隠し、屋外は色打掛。
ヘアセットは着物用のヘアアレンジではなく、
せっかくやからと島田髷の鬘をつけていて、その似合うこと。
旦那さんは撮影用にぴんからトリオの並木ひろしのような髪型にしていて、
どこからともなくムード歌謡が流れてきそうな、
昭和初期あるいは大正時代にタイムスリップしたようで、
本人曰く「昭和の芸人夫婦の結婚写真いうコンセプトやねん」と得意気でした。
結婚式の前撮りにコンセプトは必要ないのでは、と問うたら
普通に撮ってもおもんないやん、と即答でした。
大阪人のサービス精神を目の当たりにしました。
その友人夫婦の前撮り写真のインパクトが強くて、
日本庭園を見るといつも思い出してしまいます。
ついでに、その友人は551の肉まんが大好きで、
我慢できずに京阪電車の中で食べてもうてん、
いやめっちゃ反省してんねんけど、つい。
という話をよく聞いたので絵に盛り込みました。
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