絵の解説
逆さ金閣寺と記念撮影。
写真お願いできますか、と頼まれて、
二つ返事で引き受けた猫ですが、
自分の顔を写してしまって大慌て。
機種が違うのでカメラのモードをどう変更したら良いのか分からない。
落ち着け落ち着け、笑って誤魔化そう、大丈夫気がついてない、あ、汗で指が滑る。
脇の子猫がニヤニヤ一部始終を見ているのでした。
正式名称は鹿苑寺(ろくおんじ)(厳密には北山鹿苑禅寺)で、
舎利殿の金閣が有名なので一般的に金閣寺と呼ばれています。
中学の歴史のテスト等で「足利義満が別荘として建てた建築物の名前は」の問いに
金閣寺と書くと不正解になります。
金閣寺の前にある池は、鏡湖池(きょうこち)といいます。
やっぱりゴールド
お土産にもなるような京都らしいポストカードが何種類か欲しいと
店舗様よりリクエストを頂いて描いたもののうちの一つ。
京都らしい景色。
たくさんの候補があって、あれやこれや検討した結果、「やっぱり金閣寺でしょう」。
満場一致で金閣寺になりましたが、なぜ「やっぱり金閣寺」なのでしょう?
大昔、京都に住んでいた頃、よく金閣寺に行っていました。
当時の京都は今ほど観光客で混雑しておらず、
よく自転車でぷらぷらと寺めぐりをしていました。
「派手な金閣よりも銀閣寺の方が渋くて好き」と
周りには通人を気取りつつ、金閣寺の方が足繁く通っていたような気がします。
ふと金閣寺が見たくなる。
青い空でも曇天でも、どの季節でも、金閣寺は輝いていて、やっぱり黄金は美しい。
なぜ美しいのか、なぜ美しいと感じるのか。
そんな理由を考えるのももはやどうでもよくなってしまう圧倒的な存在感。
湖に金閣寺が写って眩しさも二倍増で、おもわずありがたやと呟きたくなってしまう。
黄金に魅せられるのは人間の本能なのでしょうか。
歌舞伎の衣装や舞台美術で金はよく使われる色です。
かぶきねこづくしでは黄色や黄土色系の絵の具を使います。
メタリックなゴールドの絵の具もいくつか持っていますが、
印刷には不向きなのでほぼ出番はありません。
黄金色に輝いているように描くことはできても、
絵の具で金の輝きを再現することはできません。
印刷で金を再現するには、箔押しになるのでもはや印刷というより立体加工です。
金の輝きは金でしか再現できない。
その輝きを浴びに、人は金閣寺に通うのでしょう。
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