SNPC70 梅しごと

四季ねこねこ

絵の解説

水に浸した青梅を布巾で優しくふいて、竹串でヘタを外してザルに並べて、氷砂糖と一緒に保存瓶の中へ。
家族総出で梅仕事。
畳の上を転がる青梅の、白い毛茸(もうじ)が光を受けてまるでビロードのよう。

梅雨の前の爽やかなひと時。

原画

季節の移ろい、色彩の変化

春から初夏にかけての賑やかな季節も落ち着きを見せる5月の末。
店頭に青梅が並ぶと、もうそろそろ梅雨かと季節の移ろいを感じます。

翡翠色の美しい青梅。
毛茸と呼ばれる短い産毛が生えているので、艶消しマットな表面が落ち着いた佇まいを見せ、青梅の表面はまるで時間が止まっているかのような静けさを感じさせます。

青梅が出回る頃は、ちょうど紫陽花も色づき始める頃で、淡い黄色の萼が少しずつ青色やピンクに変化していきます。
春から初夏にかけての鮮やかで華やかな花々から、淡い色調の花々へと交代する季節。
青梅の翡翠色も紫陽花の微妙な色調も、眩しい青空の下よりも梅雨の曇天の下の方が美しく、雨に濡れてもなお美しい。
青葉もいつの間にか濃い緑色になっていて、優しい色調の花を引き立てます。

賑やかな春から初夏を経て、梅雨で一旦小休止。
梅雨時の微妙な色調は目を楽しませてくれます。
弱い太陽光の下だからこそ美しい色。
そしてエネルギーを蓄えて、青空と太陽が眩しい夏へ。

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