絵の解説
左上は博多港のシンボル、博多ポートタワー
その右下は、日本で1番高い海浜タワーの福岡タワー
博多の夜を彩る屋台の食べ歩き
酒は呑め呑め黒田節
めんたいロックにご存知博多どんたく
福岡といえばまず博多ということで、まずは博多から。
博多といえば、で思いつくものをまとめた博多アラカルト。
博多どんたく
博多土産のお菓子のパッケージのイラストでお馴染み、しゃもじを持って踊る女性。
改めて博多どんたくを調べてみると、百眼(ひゃくまなこ)をつけた男性がいます。
この形の煎餅を食べたことあるなと思って調べると、博多銘菓のにわかせんべい。
お面の正式名称は”にわか半面”と言い、博多仁和加(はかたにわか)という郷土芸能の際につけるもの。
”ぼてかずら”という鬘とセットで装着するもののようです。
このお面ですが、江戸では百眼と呼ばれる目鬘(めかつら)で、三笑亭可上(さんしょうていかじょう)という落語家が文化時代に高座でつけて小噺を披露したのが始まりと言われています。
それを歯磨き粉売りの米吉が真似して大流行しました。
百眼の米吉は「守貞漫稿(もりさだまんこう)」「近世商賈尽(きんせいあきないづくし)」でお馴染みです。
このお面、江戸と博多とどちらが先なのか分かりませんが、初めてコレを手にした博多っこなり江戸っ子なりが「これをつけたらウケるかも」と静かに興奮したであろう姿を想像すると愉快です。
紙製の簡素なお面のユーモラスな目元がほんわかと平和な気持ちにさせます。
豚骨ラーメン
言わずもがなのご当地グルメですが、生半可な知識と愛情で扱うのが憚られ屋台の一角にまとめました。
屋台巡りをしている猫のシャツに描いてあるものは明太子、あまおうです。
タワー
地域のランドマークとして各都市にタワーがありますが、これも時代性があります。
流行というよりその当時の技術力としての時代性でしょうか。
昭和39年竣工の博多ポートタワーは赤い鉄筋が東京タワーを彷彿とさせますし、全体のフォルムは通天閣に似ています。
対して福岡タワーは昭和62年。
シャープなフォルムが80年代らしいです。
私は高いところが苦手なので、タワーは遠くから眺めるに限ります。
村田英雄とめんたいロック
酒は飲め飲めでお馴染みの黒田節は村田英雄の持ち歌かと思っていましたが、このポストカードを描くに際して福岡の民謡だと知りました。
民謡の「黒田節」は江戸時代に筑前を治めていた黒田藩の武家民謡だったものが、やがて一般の人々にも広まって今様筑前民謡となりました。
村田英雄の歌のタイトルは「黒田武士」です。
言わずと知れた浪曲師であり演歌歌手の村田氏ですが、昭和30〜40年代に日本コロムビアから多数出していた7インチシングル盤のジャケットデザインが秀逸で、特に昭和30年代はまだ写真よりイラストが多く、このイラストがなんともいえない味わいです。
まだカラーといっても二色印刷の時代なので、限られた条件ゆえにシンプルで凝縮されたイラストが多いです。
村田氏に限らず、浪曲は控えめでなかなか渋いデザインが多く、一時期コレクションしていました。
時代が進むにつれモノクロ写真+イラストカット、カラー写真と手書きタイポグラフィとジャケットデザインは変遷していきます。
大体、各レコード会社のデザイン室制作なので、基本的にはデザイナーやイラストレーターのクレジットは入りません。
数あるプロダクトデザインの中で、レコードやCDのジャケットデザインが私は一番好きです。
音楽を視覚化したデザインなので見るのも作るのも楽しい。
こと7インチはアルバムよりも存在が軽いからか、デザインの自由度が高いです。
12インチというのもありました。
Sheena & The Rokketsの「LemonTea」。
サンハウス、The Roosters、THE MODS、、
私が持っている日本のミュージシャンのレコードのうち、はからずもめんたいロックの多いこと。
もっぱら聴くのはCDですが、レコードもやはり欲しい。棚に置きたい。
まさか村田英雄とめんたいロックが繋がるとは思いもよりませんでしたが、黒田節が長く福岡で愛されていたことからも、音楽が常にある土地柄なのだろうと思います。
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