SNPC42 地蔵盆(じぞうぼん)

四季ねこねこ

絵の解説

輪になって座り、念仏を唱えながら大きな数珠を回す数珠繰り(じゅずくり)と呼ばれる儀式。
お坊さんがお経を唱える場合もあります。
儀式というよりイベントのようで、この後はゲームをしたりお菓子を食べたりします。

地蔵盆(原画)

提灯とパーツ(原画)

地蔵盆

地蔵盆は京都発祥のようで、関西中心の行事のようです。
毎月24日は地蔵菩薩の縁日で、お盆に近い8月24日頃に開催されることが多いようです。
京都に住んでいた頃、数珠まわしを見たことがあり、車座になって2〜3メートルの大きな数珠をぐるぐる手渡しで回します。
飛び入り参加大歓迎で、途中から入る子供もいれば、途中で飽きて出てしまう子供もいて、厳かな儀式というより遊戯のような楽しい様子でした。
町内の地蔵が祀られている祠には提灯や花やお菓子がたくさん供えられ、京都の友人いわく、お菓子がたくさんもらえるので楽しみなイベントだったとのことでした。
その様子が面白くて、絵にしました。

私の出身は名古屋ですが、お盆の時期に地蔵盆があったなーとぼんやり記憶しています。
町内の小さな公園にお地蔵様が祀られていて、数珠回しのイベントはありませんでしたが、地蔵盆の日は提灯やお菓子や花が飾られていました。
お地蔵様の祠を掃除をして、お菓子をもらう日というような記憶があり、いつも8月の終わりだったので、これで夏休みも終わりだなぁと寂しい気持ちになる行事でした。

この地蔵盆は東海地区ではほとんど行われないとのことですが、私の地元のように、ポツポツと開催はされていたと思います。
ただ、少子化で子供向けの行事は自然消滅するものが多かったのだろうと推察します。
行事が無くなっていくのは寂しいですが、それもまた時代の流れであり、自然淘汰なのかなと思います。
季節の風物詩も、行事も、人の営みがあって成り立つものですから、それを無理のない形で維持できる人たちがいなくなったら消えてしまうのも仕方なかろうと思います。
だからこそ、伝統はかけがえの無いものだと思っています。
色々便利な時代ですが、時間の蓄積すなわち歴史を作ることはできません。
それを壊してしまうのは簡単なのがまた残酷であり哀しいことです。

生きた行事として、季節の風物詩がまだ続いているうちに絵に留めたいなと思って四季ねこねこを描いています。

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