描かれている人物
上段左:(左から)奥女中松の戸、白梅、奥女中杉浦
上段右:(左から)河童、狸、傘一本足
中段左:(左から)振袖新造、雪女郎
中段右:骸骨たち
下段左:読吉実は白狐
下段右:読売実は白狐、花四天
※読売の名前は俳優さんの名前にちなんで都度変わります。
絵の解説
のっぺらぼうになった白菊と、驚く奥女中松の戸、奥女中杉浦。
白菊の衣装は修正前です。
傘一本足が行司になって、相撲をとる河童と狸。
河童の衣装は修正前。
振袖新造と雪女郎。
振袖新造の衣装は修正前。
踊る骸骨たち。
読売実は白狐。
花四天の衣装は修正前です。
あらすじ
あらすじ
大名邸広間
ある大名家で、女中たちが百物語の会を催している。
最後の蝋燭を消す役を言い付けられたのは小姓白梅。
嫌がる白梅の手をひく腰元たち。
白梅が火を消すと、白梅はのっぺらぼうになってしまった。
葛西領源兵衛堀
傘を取り合う狸と河童。
そこへ一本足の傘のお化けがあらわれ、相撲で勝負をつけることを提案。
傘一本足が行司をつとめ、相撲が始まるが、河童と狸は傘が持っている酒を飲み始めてしまう。
廓裏田圃
雪景色の中、美しい雪女郎と振袖新造が踊り、やがて夜の闇へと消えていく。
枯野原
提灯を持った骸骨と、卒塔婆を持った骸骨の踊り。
庭中花盛り
籬姫が腰元たちと花見をしているところへ読売がやってくる。
読売の正体は白狐だった。
私のツボ
ユーモアたっぷり
あまり上演されない演目で、歌舞伎座での上演は平成三年(1991年)以来、28年ぶりに2019年の八月納涼歌舞伎で上演されました。
その間、金丸座と南座では二回ずつ上演されています。
大好きな演目。
特に傘一本足と狸と河童の絡み、骸骨の踊りは外せません。
面白く、不気味で可愛くて、ユーモアたっぷりです。
上演頻度の低い演目は、監修で引っかかることが多いのですが、どうしても描きたくて描いたもの。
滅多にやらない演目は、この機会を逃しては次いつ描けるか分からないので、欲張って全部入れました。
結果、無事に監修は通り、商品化したのですが、監修担当の方々にかなり苦労をおかけしたようで、これ以降、描く演目に制限がかかりました。
・上演頻度の低いものは描かない
・描いて良いものは上演頻度が高く、よく知られた古典演目に限る
・特定の家しか演じないものは描かない
上記3点が主な制約で、その他はその都度検討となりました。
条件が揃っていてもその時の状況で分からないということになります。商品化するための監修なのでわがままは許されません。
今回は、傘一本足と河童と狸と骸骨を描けたのでヨシとします。
描きたい絵を描くのがなによりです。
修正箇所
白菊の衣装、花四天の衣装。
振袖新造の衣装、河童の手拭い
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