絵の解説
ほおずきの実(厳密にいうと萼)の朱色と、葉の緑のコントラストが美しいほおずき市。
時折、お店の人が水を撒くので、暑い日中でも植木は元気です。
チリリンと涼しげな音を奏でるガラス製の風鈴。
透けるタイプの風鈴が欲しかったのを察したのか、オヤジさんが風鈴を交換してくれました。
「麦茶飲みねぇ」
出店の奥では忙しい合間の昼ごはん。
そろそろお昼どき、今日は鰻でも食べようかね。
「あんた、昼前なのにアイスなんか食べて」
「暑いからジュースがわりだよ」
七月の色鮮やかな風物詩。
夏の入り口
ほおずき市で有名なのは浅草寺ですが、規模の差こそあれ、各所で催されます。
各所と言っても東京を中心に、神奈川、埼玉、千葉など関東圏でのイベントです。
関西ではほおずき市はたたず、一ヶ月遅れて8月某日(寺社によって異なる)に千日詣(せんにちもうで)と言われる市がたちます。
ほおずきの鉢植えは並ばず、御札をもらったような記憶があります。
”源頼朝が浅草寺で休憩、兵士達にほおずきの実を食べさせたら元気になった”という言い伝えと、江戸時代人気だった観音信仰が結びついて、江戸時代から市が立つようになったそうです。
観音信仰は関西でも盛んでしたが、源頼朝は関東ほど人気ではないので、あまり浸透しなかったのかもしれません。
関西では義経は人気がある反面、むしろ頼朝は不人気だったせいもあるでしょうか。
ただ、盆の供物としてのほおずきは東も西も定番だったので、夏になるとそこかしこで見かけます。
ほおずきの実(正確には萼)が緑から黄色をへて朱色に変わっていく様子は紅葉のようで美しいです。
ほおずき市がたつと、そろそろ梅雨が明ける時期、夏だなぁと毎年思います。
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