SNPC63 紫陽花(あじさい)

四季ねこねこ

絵の解説

原画


縁側で若旦那が一人将棋。
そこへたまたま虎八が通りかかって、ちょっとひとさし。

たまたまを装って、少しばかり用立ててほしいと頼みにきた虎八。
実は吉原で朝帰り、番傘は茶屋のものを借りてきました。
いつも虎八に冷たいおかみさんの姿が見えないのを良いことに、いそいそと縁側に腰掛けます。

無心を快諾してもらうため若旦那が勝つように誘導していますが、将棋が下手な若旦那、なかなか虎八の手に乗ってくれません。
(待て待て、そこの飛車を動かしたら俺に取られちまうじゃねぇか)
早く勝負を終わらせて、用立てを頼みたい虎八。
若旦那の手が読めなくて四苦八苦。
なかなか勝負がつかない雨の昼下がり。

紫陽花

梅雨は過ごしにくい時期ですが、紫陽花が美しい季節です。
美しく変化する柔らかい色、鞠のように可愛らしい佇まい。
雨に濡れた姿も美しく、鬱陶しい季節に彩りをもたらしてくれます。

六月の四季ねこねこは紫陽花ばかりで、どう紫陽花を絵に盛り込むか、が課題です。
紫陽花を手前に描いて、その紫陽花ごしに何かをしているの図、という構図が多いです。
似たような構図でいかに変化をつけるか。

庭先の紫陽花、という設定。
庭先なので縁側で何かをしている。
縁側で一人将棋。
奥から誰かがおやつを持ってくる構図は既に使ったので、将棋仲間が庭からやってくることにしました。
ある程度、設定が決まると後は連想ゲームで細々した設定が決まって行きます。

その細々した設定が絵に必然性をもたらしてくれるので、俄然描きやすくなります。
いつもかなり細かく設定しながら描いています。

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