KNPC196連獅子(れんじし)

かぶきねこづくし

描かれている人物

赤枠右上
(左から)狂言師右近 、狂言師左近

赤枠左下
手前:仔獅子の精、後方親獅子の精

絵の解説

KN64では舞台全体を描きましたが、
今回は狂言師と獅子二人にしました。

狂言師右近 と狂言師左近(原画)

仔獅子の精、後方親獅子の精(原画)

松羽目ものなので松は欠かせません。
牡丹の花にしようか迷いましたが、
美しい牡丹の花だとやや柔和な印象の絵になりますので、
ここはやはり厳しい松にしました。

原画

あらすじ

原作 河竹黙阿弥

主な登場人物

・狂言師右近 後に 親獅子の精(きょうげんしうこん のちに おやじしのせい)
・狂言師左近 後に 仔獅子の精(きょうげんしさこん のちに こじしのせい)
・法華僧蓮念(ほっけそうれんねん)
・浄土僧遍念(じょうどそうへんねん)

前半
文殊菩薩が住むと言われる唐の清涼山。
手獅子を携えた狂言師の右近と左近がやってきます。
二人は獅子の親子の有名な逸話ー親獅子が仔獅子を谷に突き落とし、這い上がってきた強い子だけ育てるという話を語り、舞います。
やがて蝶に誘われるように二人は下がります。

間狂言(あいきょうげん)
日本から来た二人の僧侶が登場。
宗派を巡って言い争いになります。
やがて不穏な風が吹き、獅子が出るかもしれないと思った二人は慌てて逃げていきます。

注:「連獅子」は能の「石橋」に基づいて書かれたものなので、
前場と後場の間に差し込まれる場面として”間狂言”としましたが、
能のそれとは異なり、笑いをとる息抜きのような場面になっています。

後半
先ほどの狂言師たちが獅子の精になって登場します。
牡丹の花の匂いをかぎ、狂いと呼ばれる激しい動きを見せます。
牡丹の枝を手に、勇壮な獅子の舞を舞います。
そして獅子の座について幕。

私のツボ

変身前と変身後

連獅子といえば毛振ですが、いわばそれはサビの部分で、そこに至るまでの物語があります。
変身前と変身後を描きたかったので、このような構成になりました。
間狂言の僧侶二人も描きたかったのですが、誰もが知っている有名な場面でないと許可がおりませんので、あきらめました。ということで、「そこに至るまでの絵」や明らかに不許可となるものは、製品化するものとは別に、このブログなどでお披露目するつもりです。

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