描かれている人物
赤枠右上
(左から)狂言師右近 、狂言師左近
赤枠左下
手前:仔獅子の精、後方親獅子の精
絵の解説
KN64では舞台全体を描きましたが、
今回は狂言師と獅子二人にしました。
松羽目ものなので松は欠かせません。
牡丹の花にしようか迷いましたが、
美しい牡丹の花だとやや柔和な印象の絵になりますので、
ここはやはり厳しい松にしました。
あらすじ
原作 河竹黙阿弥
主な登場人物
・狂言師右近 後に 親獅子の精(きょうげんしうこん のちに おやじしのせい)
・狂言師左近 後に 仔獅子の精(きょうげんしさこん のちに こじしのせい)
・法華僧蓮念(ほっけそうれんねん)
・浄土僧遍念(じょうどそうへんねん)
前半
文殊菩薩が住むと言われる唐の清涼山。
手獅子を携えた狂言師の右近と左近がやってきます。
二人は獅子の親子の有名な逸話ー親獅子が仔獅子を谷に突き落とし、這い上がってきた強い子だけ育てるという話を語り、舞います。
やがて蝶に誘われるように二人は下がります。
間狂言(あいきょうげん)
日本から来た二人の僧侶が登場。
宗派を巡って言い争いになります。
やがて不穏な風が吹き、獅子が出るかもしれないと思った二人は慌てて逃げていきます。
注:「連獅子」は能の「石橋」に基づいて書かれたものなので、
前場と後場の間に差し込まれる場面として”間狂言”としましたが、
能のそれとは異なり、笑いをとる息抜きのような場面になっています。
後半
先ほどの狂言師たちが獅子の精になって登場します。
牡丹の花の匂いをかぎ、狂いと呼ばれる激しい動きを見せます。
牡丹の枝を手に、勇壮な獅子の舞を舞います。
そして獅子の座について幕。
私のツボ
変身前と変身後
連獅子といえば毛振ですが、いわばそれはサビの部分で、そこに至るまでの物語があります。
変身前と変身後を描きたかったので、このような構成になりました。
間狂言の僧侶二人も描きたかったのですが、誰もが知っている有名な場面でないと許可がおりませんので、あきらめました。ということで、「そこに至るまでの絵」や明らかに不許可となるものは、製品化するものとは別に、このブログなどでお披露目するつもりです。
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