描かれている人物
(左から)仔獅子、親獅子
絵の解説
親子の獅子の毛振り
あらすじ
原作 河竹黙阿弥
主な登場人物
・狂言師右近 後に 親獅子の精(きょうげんしうこん のちに おやじしのせい)
・狂言師左近 後に 仔獅子の精(きょうげんしさこん のちに こじしのせい)
・法華僧蓮念(ほっけそうれんねん)
・浄土僧遍念(じょうどそうへんねん)
前半
文殊菩薩が住むと言われる唐の清涼山。
手獅子を携えた狂言師の右近と左近がやってきます。
二人は獅子の親子の有名な逸話ー親獅子が仔獅子を谷に突き落とし、這い上がってきた強い子だけ育てるという話を語り、舞います。
やがて蝶に誘われるように二人は下がります。
間狂言(あいきょうげん)
日本から来た二人の僧侶が登場。
宗派を巡って言い争いになります。
やがて不穏な風が吹き、獅子が出るかもしれないと思った二人は慌てて逃げていきます。
注:「連獅子」は能の「石橋」に基づいて書かれたものなので、
前場と後場の間に差し込まれる場面として”間狂言”としましたが、
能のそれとは異なり、笑いをとる息抜きのような場面になっています。
後半
先ほどの狂言師たちが獅子の精になって登場します。
牡丹の花の匂いをかぎ、狂いと呼ばれる激しい動きを見せます。
牡丹の枝を手に、勇壮な獅子の舞を舞います。
そして獅子の座について幕。
大薩摩の裃の色がポストカードと原画では異なります。
黄色は中村屋さんの色でした。つい、うっかり。
私のツボ
サイケデリック・ロック
獅子二人だけでなく、長唄、三味線、鳴物も描きたくて、この構図になりました。
三味線五人に、長唄五人。笛、大鼓、太鼓一人に、小鼓三人。
途中、笛や三味線のソロがあり、これが本当に痺れるかっこよさで、ロックなのです。
ぐるぐる回る獅子の長い毛越しに見える、鳴物さんたちと、彼らが座る緋毛氈。
獅子たちの激しい動と、長唄囃子連中の静。
静といっても、獅子の舞踊に対して静と見えるだけで、その放出するエネルギーは激しいです。
獅子と、長唄囃子連中のエネルギーが、紅白の長い毛と一緒にぐるぐる渦巻くサイケデリックな舞台です。
そのエネルギーにあてられるのか、見た後は疲れます。
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