描かれている人物
滝窓志賀之助(たきまどしがのすけ)
絵の解説
鯉と志賀之助の立ち回り。
まさに鯉つかみ。
襖に映る、小桜姫と鯉の精のシルエットも面白いのですが、それだけ描いても面白味がないので一目でわかりやすい絵にしました。
あらすじ
外題「湧昇水鯉滝(わきのぼるみずにこいたき)」のうちの「鯉つかみ」の場
主な登場人物と簡単な説明
・志賀之助(しがのすけ):宝剣龍神丸を探して全国を旅している
・鯉の精(こいのせい):志賀之助に化けて積年の恨みを晴らそうとする鯉の精
・小桜姫(こざくらひめ) :志賀之助の許嫁
「鯉つかみ」のあらすじ
志賀之助との逢瀬を久々に楽しむ小桜姫。
そこへ龍神丸を持ったもう一人の志賀之助が現れます。
小桜姫と逢瀬を楽しんでいる志賀之助は鯉の精が化けているのです。
志賀之助は鯉の精と格闘の末、退治するのでした。
「湧昇水鯉滝」のあらすじ
滋賀の三上山に巨大なムカデが生息し百姓たちを困らせていました。
俵藤太という男が宝剣龍神丸でムカデを退治します。
ムカデは大量の血を流し、琵琶湖に流入。
おりしも琵琶湖に棲む鯉王の息子が竜に変じる宴が開かれており、
毒血を浴びた鯉王子は竜に変身できなくなってしまいました。
鯉王たちは俵藤太を末代まで呪う誓いを立てるのでした。
それから約400年の月日が経ちます。
俵家の末裔にあたる釣家ではお家騒動の火種がくすぶっており、
宝剣龍神丸を悪者たちが狙っています。
釣家の息女・小桜姫は、鯉の精が化けた志賀之助に心を奪われます。
龍神丸の威光で志賀之助の正体が鯉の精であることがわかり、
本物の志賀之助が鯉の精を追いかけ琵琶湖へと追い詰めます。
この後は「鯉つかみ」の場へ続きます。
私のツボ
本水
本物の水を使うので迫力があります。
衣装も重くなるでしょうし、足元も悪くなって大変だろう
と思うヒマもないくらいの大立ち回りです。
難しいことは一切抜きにして、あぁお芝居って楽しいなと体感できます。
ラスベガス公演は、プロジェクションマッピングを駆使した演出でした。
しばらく前に映像で見ましたが、迫力満点で面白かったです。
最近、このような演出は面白いなと思うようになりました。
超歌舞伎もですが、新しい技術と歌舞伎は相性が良いと思うのです。
ぜひベガスの演出で、物語の舞台である琵琶湖でやってほしいと思っています。
鯉の精
鯉の精というのがまず珍しい。
鯉の精が人間に化けて人間と直接関わるというのが面白いです。
龍神に頼むなり、水に棲まう種族なりの復讐の仕方があったのではと思います。
余計なお世話ではありますが、
直接的な実力行使をとる鯉の精がいじましく思えてなりません。
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