絵の解説
柳が揺れ、風薫る初夏の午後。
お江戸の橋のどこか、橋のたもとの賑わい。
柏餅屋、玉売り(しゃぼん玉売り)、鯉のぼり売り、魚屋、ねずみ捕り売り、天ぷら屋。
菖蒲の切花を手にするおかみさん、朝湯帰りの遊び人。
蕎麦屋の出前が飛脚があやうくぶつかりそう。
原画上部に描いてある”文月””水無月”は他のカード用に描いたものです。
文字
橋のたもと
この構図は使い勝手が良く、何かとよく登場します。
かぶきねこづくし(R)でもよく使う構図です。
橋の名前を描くことができるので演目を特定しやすいこと、橋のたもとでだいたい事件が起こることが挙げられます。
が、最大の要因は、構図に変化を出しやすいこと。
川(の流れ)と川べりの直線、それに交差する橋の緩やかな曲線。
細かい絵は平坦になりがちですが、大きくパースが交差することで絵にリズムがついて見やすくなります。
また川面、橋の上、地上、と三つの空間が生まれるので絵に奥行きを出しやすいです。
10年近く前に描いた絵ですが、改めて見てみると、今も私の絵によく登場するレギュラー猫をたくさん発見しました。
ここに描かれている猫のうち、何匹かは絵本にも脇役で登場しています。
この絵から何度もアップデートを繰り返し、今も現役かと思うとなかなか感慨深いです。
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