描かれている人物
月の兎
絵の解説
月に住む兎が餅をついているところ
浅葱色の袖なし羽織、腹掛け。白い鉢巻はウサギの耳を表しています。
〽風に千種の花うさぎ 風情ありける月見かな
あらすじ
本名題「玉兎月影勝(たまうさぎつきのかげかつ)」
月の兎が餅をつき、かちかち山の振りを見せ、再び餅をつきます。
私のツボ
おとぎの世界
10分ほどの短い踊りです。
子供が踊る可愛らしい舞踊のイメージがありますが、もとは三代目坂東三津五郎が文政三年(1820年)に演じたもので、大人も踊る演目です。
小さな子供が踊ると、本当にウサギが踊っているようで、可愛いったらありません。
おとぎの世界が目の前に繰り広げられ、その純真さに心が洗われるというか、あぁ私もしっかり生きねばと思ってしまうのでした。
この踊りを見た時、「刺青奇偶」と同じ部で、博徒たちのアウトローの世界からおとぎ話の世界へという、なんと大胆で振り幅の広いことか。
観劇中は舞台に夢中なので特に違和感も感じませんが、帰りの道中あるいは翌日などに
ふと、その振り幅の広さを味わった感覚がよみがえって、軽くめまいを起こしそうになります。
そんな歌舞伎が大好きです。
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