絵の解説
甘酒屋の前で、迷子の子猫が泣いています。母猫は右端、ちんどん屋の太鼓の右上あたりのピンクの着付と水色の帯。「うちの子がいなくなった!」と友人(赤紫の着物)と慌てています。このあと、無事に再会します。
その慌てる親猫の左隣、淡い紫の着物を着ているのはおそらくお忍びの歌舞伎役者。それに気づいた猫三匹がはしゃいでいます。
右下の団体。踊りの会の花見です。扇子を手にしているのは踊りの師匠。
すべての猫に物語(もしくは事情)があります。
花見
春の風物詩は色々ありますが、圧倒的に桜の一人勝ちです。
桜が入ると絵も華やかになりますし、絵柄として人気がありますので、4月は桜の絵ばかりです。
どうしても猫が小さいごちゃっとした絵になってしまいますが、行楽地の雑踏の熱気を描けたら良いなと思っています。
桜の描き方
かぶきねこづくし(R)でも四季ねこねこ(R)でも桜は避けて通ることができないモチーフです。
満開の桜を描くのは随分試行錯誤しました。
桜の軽さと白さを表すのが難しい。
私は桜といえばソメイヨシノなので、やはり白い桜を描きたい。
この桜は白さに重点を置いた描き方です。
これはスキャンしたデータですが、おそらく同じ頃に描いた桜。
輪郭線の墨は一番最後に入れるのですが、この場合は一番最初に描きます。
花びらの白は紙地の色をそのまま生かします。
輪郭線が入ると桜の形は綺麗に出ますが、重なり合う線がややうるさいのが難点です。
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