描かれている人物
*描いている人物が多く、説明も長くなるので分割します。
三浦屋揚巻(みうらやあげまき)
絵の解説
助六の母からの手紙を読み、思案顔の揚巻。
「お袋様は助六さんの子ゆえの闇、わしはまた、助六さんゆえの恋路の闇」
揚巻五節句の衣装のうち、端午の節句
鯉の滝昇りの俎板帯(まないたおび)
あらすじ
役の説明
・三浦屋揚巻(みうらやあげまき)
助六の恋人で、吉原最高級の遊郭・三浦屋で一番人気の花魁。
痛快な啖呵で嫌な客をやり込める気風の良さも魅力の一つ。
あらすじ
吉原仲之町、三浦屋の格子先。
吉原一の人気花魁揚巻(あげまき)の元へは髭の意休が子分をつれて通ってきます。
助六の喧嘩沙汰を心配した母満江と白酒売りになった兄の十郎は、揚巻のところへ意見を頼みに来て、その真意を知ります。
助六があちこちで喧嘩を起こすのは、刀を詮議するためなのでした。
意休は助六の本心を見透かし、兄弟団結して親の敵を討てと意見をし、香炉台を切って見せます。
その刀こそ友切丸で、意休こそ伊賀の平内左衛門という盗賊だったのです。
はやる助六を、揚巻は意休の帰り際を待つようなだめるのでした。
ーー幕ーー
この後、水入りの場がつく場合があります。
意休を討った助六は、揚巻の気転で、刀を持って吉原を抜け出します。
私のツボ
五節句の衣装
とにかく揚巻の衣装が圧巻です。
豪華な衣装は総重量約35kgと、歌舞伎の衣装展を見た時の解説にありました。
その絢爛豪華な衣装をまとめました。
人日の節句 1月7日
花道の花魁道中 黒地に門松、羽子板模様の打ち掛け。背中に橙(だいだい)とゆずり葉、金銀の御幣を垂らして伊勢海老をつけるおめでた尽くし。伊勢海老は朱色の組紐で編まれたもの。
上巳の節句 3月3日
花魁道中の後、打掛を脱いで
緋色地に御幕、火焔太鼓、金糸銀糸の桜
端午の節句
このカードに描かれている衣装。
七夕の節句
KNPC176で説明します
重陽の節句 9月9日
水入りの時のもの
金銀混ざりの菊の花の打掛、帯は部屋着の時に占める鮟鱇帯(あんこうおび)と言われる花結び。
揚巻の恋心
揚巻は松の位の太夫で、最高位の花魁です。
「慮外ながら憚りながら,三浦屋の揚巻は酔わぬじゃて」と酔態を案じる傾城たちに強がって見せたり、
「サァ切らしゃんせ」と意休に悪態をついたり、
”一筋縄ではいかない強い女”という鎧を常に纏っているように見えます。
そんな揚巻が、一人の女に戻る瞬間。
助六の母からの手紙を読み終わって顔を上げると、恋する女の顔になり、ままならぬ恋路を憂います。
うっかり素の表情が出てしまった瞬間を描きました。
コメント