絵の解説
春節になると中華街はお祭り騒ぎになります。
爆竹が鳴り響き、パレードが練り歩きます。
カラフルな龍の舞に、カラフルでフワフワの毛が可愛らしい獅子舞。
獅子に頭を噛まれて厄払いをするのは日本と同じです。
海老煎餅、肉まん、チャーハン、餃子、雪氷、、、美味しいものは尽きません。
占い屋が見ているのは手相ではなく肉球です。
賑やかな中華街
以前、横浜の元町に事務所兼作業場がありました。
中華街はすぐそばにあり、役所に行くにも買物へ行くにも通る地区でした。
中華料理店と一口に言っても大陸系、台湾系と大きく分かれ、
大陸系は広東、四川、南部など細かく分かれており、
他に、シンガポール料理、インドネシア料理、フランス料理やギリシャ料理の店などもあり多彩です。
八百屋には珍しい野菜や果物が置いてあり、季節になるとドリアンが並んでいました。
インド料理とはまた違う香辛料の匂い、甘いフルーツの匂い、甘栗を燻す匂い、
そこに油の匂いが混ざって空気は少し重い。
蔦がびっしり絡んだ古い建物は春になるとほぼ野生化した藤の花が咲いていました。
リクエストがあり横浜土産シリーズの一環で描いたものですが、
街の一角の風景を描いてもつまらないので、
いつも通り抜けで歩くコースの印象を描きました。
なるべく空いている路地を選んでショート・カットで目的地へ行くルート。
横浜の中華街は区画が斜めになっているので、考え事をしているとすぐ迷子になります。
開港前に使われていた畦道がそのまま道路になったからだそうです。
店の入れ替わりも激しく、雑貨店がタピオカ屋になったと思ったら唐揚げ屋になっていたりと
季節ごとに店が変わると言っても過言ではありません。
目的地に辿り着けず、ぐるぐる回るうちに日が暮れて赤い提灯がともり、
かつて観たゴールデン・ハーヴェストの映画の世界のようで、あれに見えるは五福星…。
日が暮れると中華街のやや外れにある教会の看板のLEDライトが灯され、
煌々と目が痛いほど眩しかった。
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