描かれている人物
早雲皇子(はやくものおうじ)、不動明王、「鳴神」の登場人物、「毛抜」の登場人物
絵の解説
手前で踊っているのは雨乞いする農民たち。
登場人物や場面が横断して一枚の絵を構成する構図。
私は曼荼羅画と呼んでいますが、初めてその構図で描いたもの。
左右対称型・四方対称型でもありませんし、中心から周囲に向かって広がっていく構成ではないので、厳密な意味での曼荼羅絵画ではありません、もちろん。
演目の世界を構成する要素が集まった絵という意味で使っています。
監修が通らずお蔵入りになりましたが、この構図のアイデアが絵本「どこじゃ?かぶきねこさがし」に発展しました。
絵本は通し狂言で構成しました。
装丁の都合により、絵が横長サイズなのでパノラマ曼荼羅画に仕上がっています。
あらすじ
作品のあらまし
「毛抜」(三幕目)、「鳴神」(四幕目)、「不動」(五幕目)の三作品が織り込まれた全五幕の時代物。
初代市川團十郎以来の家の芸。
七代目團十郎以降途絶えていたものを二代目市川左團次が復活させた。
物語
帝の継承権を奪われた早雲皇子(はやくものおうじ)が鳴神上人に祈祷を依頼。
ここから「鳴神」の前半。
旱魃に苦しむ民を救うため、朝廷は雨乞いに必要な短冊を持っている小野家に依頼。
ここから「毛抜」。
小野家の御家騒動で旱魃は解決せず、雲の絶間姫が出てきて「鳴神」後半。
「不動」へと続きます。
色々ありましたが不動明王が降臨してめでたしめでたし。
お蔵入りの理由
かぶきねこづくし(R)には
特定の俳優さんや家しか演じないものは描かない、
特定の俳優さんや家を想起させる絵にはしない、
新作歌舞伎は描かない、
上演頻度の少ない演目は描かない、
という制約があります。
それに加えて成田屋さんの芸は描かないようにと事前に言われています。
諸事情は承知の上で、描きたかったので描きました。
監修はもちろん通りませんでした。
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